第1042回イメージフォーラム・シネマテークでは、映像作家 南俊輔による新作インスタレーションの展示を行います。
南はこれまで、フィルム映写機などの映像機材や映写技師による映写の工程など、映画周辺の環境に着目し、映像やインスタレーション、ライブパフォーマンスを通して作品制作を行ってきました。
本展は、2つの要素によって分けられます。1つ目は、映画の構造をテーマに制作した、ビデオカメラで映写機内部を通過するフィルムの様子をライブ再生する作品とデジタルスキャンした8ミリフィルムをビデオモニターで再生する作品です。
2つ目は、映画前史のファンタスマゴリア*のような、素朴な仕掛けによって観客の想像力を掻き立てる装置としての作品です。映写機の光とゆっくり回転するシャッターによって生まれる影の演出、映写機から再生される音が空間を満たし、ある種の解放感を出現させます。
*18世紀末に流行したマジック・ランタン(スライド投影機、幻灯機)で幽霊を投影して観客を驚かせるホラー・ショー
展示作品
Dawn, 2021
TELECINE, 2014
TELECINEモニター(仮) 2021
スクリーニング&トーク
南俊輔の個展『Dawn』開催に伴い映像作品の上映とトークイベントを行います。ゲストに映像作家 磯部真也氏を迎え、今回の展示の解説や作品制作のあり方、2人の作品に共通したテーマでもある映画の構造や、時間・空間を拡張~反復させた作品の制作経緯などについてお話いたします。
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ゲスト:磯部真也(映像作家)
日時:12月18日(土) 18時30分 - 20時00分
会場:イメージフォーラム3F 寺山修司
入場料:1,000円 展覧会観覧料を含む
申し込みとイベント詳細は以下のURLから
https://minami2021.peatix.com/view
※18日はイベント準備のため18時から会場内の作品の鑑賞ができません。
17:30までにお越しいただければ展覧会も観覧いただけます。
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上映作品:
・磯部真也「EDEN」「13」
・南俊輔「-20160331」
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プロフィール:
南俊輔(みなみ しゅんすけ)
1985年北海道石狩市生まれ、2016年に北海道教育大学大学院 教育学研究科を修了。現在は東京を拠点に活動中。映写機という装置そのものや映写技師による映写の行程など、映画周辺の環境に着目し、映像インスタレーションの制作やパフォーマンスを行っている。近年はスライド映写機を素材にした作品を制作し、映写機の持つ本来の機能やその意味を分解・再構成し、映像の合成や変換を試みる「実験」を行う。近年の主な活動に、2021年グループ展『暗くなるまで待っていて』(東京都美術館, 東京)、2019年個展『4分25秒の映画』(玉川大学大学3号館102展示室, 東京)、2017年グループ展『さっぽろアートステージ2017』(札幌駅前通地下歩行空間チ・カ・ホ, 札幌)などが挙げられる。
磯部 真也(いそべ しんや)
1982年神奈川県横浜市出身。東京造形大学大学院卒業。イメージフォーラム映像研究所卒業。卒業制作の「EDEN」がイメージフォーラムフェスティバルをはじめ、国内外のいくつかの映画祭で受賞。以後、フィルムを駆使し映画における感覚的、非言語的な物語の在り方を模索し続けている。最新作「13」がイメージフォーラムフェスティバル2020/東アジアエクスペリメンタルコンペティション大賞、東京会場観客賞を受賞。第59回アナーバー映画祭にてグランプリにあたる「Ken Burns for Best of the Festival」を受賞。ニューヨークを拠点とするKINOSCOPEの記事にて、評論家のNeil Young氏より2020年の短編ベスト5に取り上げられる。
主な作品に「dance」(2009)、「EDEN」(2011)、「For rest」(2017)、「13」(2020)
イメージフォーラム3F 寺山修司
東京都渋谷区渋谷2-10-2/TEL. 03-5766-0116
主催:南俊輔個展実行委員会 共催:イメージフォーラム 協力:日本映像学会アナログメディア研究会、Spice films、株式会社ダゲレオ出版